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医療法人 聖和会 ゲン歯科クリニック Gen Dental Clinic
歯と歯の周りに起こる問題は、虫歯、歯周病だけではありません。
「噛む」という行為は、唾液を出して、歯を強くして、顎の骨を強くしてくれます。
一方で、強大な「噛む力」が歯を割る、骨を溶かすということを起こしてしまい、歯を失わせる原因になってしまうこともあります。
大切な歯を守っていくために、上下の歯の「噛み合わせ」ということにも目を向けましょう。
人の噛む力ってどれくらいあると思いますか?
思いっきり噛みしめた時、約70kgの噛む力だといいます。(日常的には、男性60kg、女性40kgぐらい。)
治療が必要な歯が増えると、毎回丁寧な噛み合わせの調整を意識しても、バランスが変わってくる可能性があります。
また、神経(歯髄)を取る処置をすると、歯は過剰な力で割れやすくなります。虫歯、歯周病の場合では、早期の対応で歯を守ることは出来ますが、割れた歯は、残すための処置をすることが出来ずに抜歯となるのがほとんどです。
噛み合わせが悪くなると、噛む力がお口の中を崩壊させていくことに繋がってしまいます。
噛み合わせを悪くする一番の原因は、歯を失っていくことです。
歯が1本や2本なくなっても、慣れてしまうと食事でも不便を感じなくなるけれど、噛む力は弱るわけではないので、残された歯に掛かる力は大きくなり、保たれていたバランスも少しずつ悪化していきます。
大事なことは、歯を失ったまま放置しないことです。放置した期間が長くなると周囲の歯が移動し易くなり、歯が欠ける、すり減るなどがどんどん起こり、時間の経過とともに、噛み合わせがさらに悪化してしまいます。
歯を失ってしまった場合は、噛み合わせのためにも、放置せず、歯を入れていく治療を進めていくことです。
噛み合わせを語ると、歯並びの話も出てきますが、歯並びが悪いと噛み合わせも悪いというわけではありません。「噛み合わせの力」のバランスは保たれていることは良くあります。
歯並びと噛み合わせの関係は精査が必要ですが、噛み合わせに問題がない方はなるべく現状を保つことを。
噛むことに不便を感じる方や不バランスがあると診断される場合は、ただ歯の治療をするだけでなく、「噛む力」に目を向けて、残っている歯を丈夫に長持ちさせることを一緒に考えていくことが大事と思っています。
両側で快適に噛めることが、健康寿命を延ばすことに繋がります。
定期健診では、虫歯、歯周病だけでなく、噛み合わせのケアも大切にしましょう。